ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

老犬との交わり。

犬の一生の長さを人間のそれと比較して悲しむなど、まったく人間の勝手な押し付けであるということは何度も書いた。それはそれと分かっていながら(完全には受け入れていないからこそ自らに言い聞かせるように何度も思考がめぐるのだろうが)、犬の一生の短さを切なく思う。

ユクはもちろん、外で会う犬たちもたいていは元気いっぱいだ。おっとりしていたり、歳をとって少し動きがゆっくりだったり、という犬たちもいるが、外に出てきているだけ、やはり元気に見える。

そもそも犬はあまり見た目で年齢が分かりにくい。歩き方や目の状態、毛づやなど、よく見極めれば分かるものだが、ぱっと見はわかりづらい。羨ましいと思えるところもある。

まだまだ抱っこされることもあるけどね。

散歩のとき、お互いの犬の年齢を聞き合う。そこで「十五歳」などと聞くと大変驚く。そのような老犬にはとても見えないことも多いからだ。犬によるので、十歳でもよたよたしている犬もいるし、十五歳を過ぎて、目もあまり見えていなさそうだが、毎日散歩に出てくる犬もいる。先輩犬たちに、ユクはよく叱られてきた。吠える声は、「それはおぬし間違っておるぞ!」とでも言っているように聞こえた。段々と学んだのか、ユクが老犬に遊びを持ちかけるようなことも少なくなっていった。

遊ぼうぜ!(前足で人間の足を抑える高度な技)

元気そうに見えると言ってもそこはやはり老犬。しばらく散歩で見かけないと心配になる。「最近見かけないけど、あの子元気かな」とうちで話したりもする。
そのような感じでしばらく会っていなかった犬に出会った。「最近はあまり歩かなくなって、散歩も近所を少し歩く程度になりました」とのことだった。「跳びまわっていたこの子にこんな日が来るとは思いませんでした」とおっしゃった。「ユク君は沢山歩いて来てね」とも。

友だち(先輩犬たち!)の分まで、今日も歩くぞ!ユク坊!

山行くの?