ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬がつなぐご近所付き合い

鎌倉(山のほう)へ引っ越してきて、おおよそ年後にユクを迎えた。それまでのご近所付き合いと言えば、家の隣の方と出会えばご挨拶したり、近隣のレストランの方と少し仲良くなる程度のことだった。それが犬を連れて散歩するようになって、劇的に変化した。犬を飼っている人たちのコミュニティに自然と入っていく感じて、一気に知り合いが増えた。犬と猫は常に派閥争いをさせられているほど比較されているが、犬と猫の大きな違いをここに感じた。猫を飼っても、ご近所付き合いは普通増えないだろう。ネット上でのつながりは増えるだろうが。

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ご近所付き合いが増えるのが良いことかどうかは別問題だ。私は他人とのコミュニケーションがそんなに得意なわけではない。それはユクも同じようで、野良時代、どういう生活をしてきたのかは知らないが、よその犬に対して、まずは唸ってしまう。怖いのだろう。近づくと、犬同士の関わりあいを楽しんでいる様子を見せることが多い。実は興味があるのだ。人同士の付き合いもこれに似ている。人と関わり合うのはとても面倒だけれど、実際に話してみると新しい気づきや見識を得ることができ、話して良かったな、となることが多い。実際に話してみると、というところまでの障壁が高く、アメリカ人のように気さくにヘイ、と誰にでも声をかけるというのは難しいものだ。それが犬を連れて歩くことで変わる。

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一般的に犬の散歩時刻は、朝と夕方であることが多そうだ。なので、自然と近所の犬たちは出会う機会も多くなる。私たちは新米であるし、ユクが唸ってしまうので、なかなか恐縮しながらではあるけれど、ご挨拶をさせていただく。犬も人もだ。出会う回数を重ねてくると、ユクも徐々にではあるが、慣れてきて、唸ったりすることが少なくなった。これまでに犬を飼って、犬の成長を見てきた人たちは、若いユクの動きに対して寛容だ。「5才くらいまで、うちも跳ね回って大変でしたよ」とか「若いんですか?元気だね」などとやさしい声をかけてくださる。正直、ユクが落ち着く姿など、いまはまったく想像できない。落ち着いた犬たち、君たち皆跳ねてたのか。

 

引っ越してきたときから、隣の家に犬がいることは知っていた。窓辺で外を見ているその柴犬によく手を振ったりしていた。しかし、お隣さんとは引っ越してきたときにお菓子を持ってご挨拶をしに行ったきり、全く付き合いがなかった。もちろん、隣の犬と触れ合うこともなかった。
ユクが来てから、さっそくお隣さんとの交流がはじまった。犬を飼う者同士の見えないつながりを感じた。問題はユクが隣人、いや隣犬と仲良くしてくれるかどうかだ。結論から言えば、いま、ユクは隣犬のことが大好きだ。他に出会うどんな犬よりもお隣の柴犬のことが大好きだ。正直、お隣さんの犬が大好きで良かった。でかしたぞユク坊。

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ユクは、お隣さんの犬を初めて見たとき、実はけたたましく吠えた(下のリンク参照)が、いまは大好きになった。大好きになる経緯はまた今度書きたい。