ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

吠えないと思っていたユクが吠えた。お隣さんの犬とのファーストコンタクト。

うちへ来てから、しばらくユクは吠えなかった。世の中には無駄吠え、要求吠えだの、犬の吠えに名称が付いているくらいなので、犬の吠えに何かと意味を見出してきたのだと思われる。少なくとも「無駄」は人間にとって無駄なだけで、犬にとっては何か意味のあることなのだろう。はたして、この犬はどのような声なのだろうか、と謎のまま日々は過ぎた。もしかしたら、吠えない犬なのか、とさえ思っていた。それがある日吠えた。

 

 そのとき、妻が1階でリモートワークをし、私は2階で働いていた。私は10年ほど前から自宅で仕事をしているので、世間より少し早くリモートワークを開始していたようなものだ。なので、仕事の進め方に関しては、コロナウイルス感染流行後の世間の変化を、むしろありがたいくらいに感じている。とりあえず来てください、というようなことを言われなくなったのは大きい。とりあえず行くのは本当に「無駄」だ。

 

そんなリモワヴェテランの私の耳に、階下から犬の吠える声が聞こえた。割と太い声だ。ゔーぅわん!わん!と聞こえる。よその犬でも近くにやって来たのかな、と下に様子を見にいった。そこでは、なんとユクが窓の外に向かって吠えていた。こんな太い声が出せるのか。こんな感じで吠えるんだ。と、いろいろ感心した。すぐ側で妻はオンラインミーティング中だった。普段全く吠えない犬が、よりによって会議中に吠えたのだった。会議の場を和ませたことだろう。

 

 窓の外を見てみると、お隣さんの柴犬が見えた。窓越しだが、これが初めてのご対面だ。ユクはあの子と仲良くできないのだろうか。折角お隣に可愛い犬がいるのに仲良くできなければもったいない。しかも、毎回吠えるようなことだと困るぞ、ユク坊。

 

 どのようなタイミングで吠えるのかはともかく、吠えることができる犬であることは判明した。

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