ここのところ、夜は犬と一緒に寝ている。
犬の体温は人よりも高く、寝始めは湯たんぽの役割をユクが果たしてくれる。なぜかいつも、私の股の間で丸くなるところからスタートする。
寝始めてしばらくすると、暑くなって来たのか、ユクの態勢が変化する。首を私の腿にもたげさせたり、前脚をかけたりする。股の間からの脱出を図っているようだ。毎回このようになるのに、股の間には入りたがる。
首の脱出を成功させた後、一気にお腹のあたりまで股の外に持ち出す。ユクの腹が腿の上に乗っかかり、重たい。ユクも苦しくなってきたのか、またさらに前進する。股の外に身体全体を移動して、人の腰の横辺りで寝る。
夜中、暑いのか苦しいのか、ほふく前進で人の頭の方へやって来る。マズルを布団から出して、フゥーと息を吐く。素潜りから命からがら水面へ上がってきたような雰囲気だ。
毎夜このような手順で、最後には人の枕を奪い取ることもある。ユクは満足そうだ。