AIに関するニュースや話題が溢れている。
インターネットの黎明期には、パソコンとインターネットが頭の中で一緒になってしまっている年配者がおられた。今ではインターネットはパソコンで使うものではなく、スマートフォンで使うものとなっているので、スマホとインターネットを混同してしまっている人がいるのだろうか。
AIは「人工知能」と翻訳されるが、これもなかなか一筋縄では行かない。コンピュータに計算をさせて、ということと、AIを使用して、ということが混同されていることが世の中で散見される。いや、それは決して誤りではないのだが、エクセルで足し算をしました、ということとはまた違うものだということはお分かりいただけるだろう。
AIと総称される技術の中でも、様々なことが研究開発され、分類されている。何でもAIで計算させて、でも誤りではないのだが、「マシンラーニング」と「ディープラーニング」では、その意味合いが大きく変わってしまう。
とても荒っぽく説明するならば、人間が勉強の方法を教えてやるのが「マシンラーニング」で、勝手に勉強するのが「ディープラーニング」だ。勝手に勉強したのに、こんなことができるようになったのか?お前すごいな、もうかないません。となるのが「シンギュラリティ」と呼ばれる、コンピュータが人を超えるとされる瞬間だ。「ターミネーター」でも観直して、その瞬間に備えたい。
アイボというソニー製の犬型ロボットがいる。初代の製品は九〇年代に発売されて、近年また進化発展版(?)が発売された。詳しくは知らないが、きっとインターネットで世界中のアイボがデータを集めて、人間への応対を学習しているに違いない。「ディープラーニング」へ進めるためには、社会に「野良アイボ」を放つ必要があるだろうか。野良アイボの保護活動などが始まるだろうか。
しかし、いくらロボットが学習をしたところで、この、目の前で阿呆な顔をして寝ている犬をその可愛らしさで超えることはできないのではないか、との思いを巡らせた私の顔もまったく阿呆な顔つきになっていたと想像される。