ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬を連れて由比ヶ浜散歩。なぜ海では「わぁ」となるのか。

海辺を犬とともに歩く。
それは犬を飼う前から、何となく楽しそうだ、と思っていた。実際に犬を連れて行ってみると、やはり楽しい。

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水に入ることには興味のないユクと私。(水辺までの距離は遠い)

海というものには何となく、わぁ、となる感覚がある。十歳までの子供なら走り出してしまうような感覚だ。大人になったいまは、駆け出したりはしないが、わぁ、とはなる。この湧き上がる何かは、私たちが海から生まれたから起こるものなのだろうか。

ユクは宮古島出身だけど、海に入ってじゃぶじゃぶやることは好まない。好まない、どころか怯えて水には近づかない。三メートル手前くらいで前脚ブレーキがかかる。ひと月に一度くらいだろうか、ユクを由比ヶ浜に連れて行く。少し遠出のお散歩コースだ。

砂浜が近づくと、ユクの引きが強くなる。早く砂浜にたどり着きたい様子だ。砂浜に降りる階段では、すでに走り始めている。私も海を見て、わぁ、という気分にはなっているので、ユクと一緒に駆ける。ユクは回転を交えて、喜びを表現しながら、走っている。若い男女のグループとすれ違う。「犬に振り回されているおじさん」という視線など気にならない。ユクが楽しければそれで良いのだ。

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海だねぇ(水辺までの距離は遠い)

駆けたあと、突然伏せて、海を眺めるユク。
故郷を懐かしんでいるようにも見えるが、そんなことは考えてないんだろうな。

妻があとで教えてくれた。
あのときすれ違った若い子たちが、このように言っていたそうだ。「犬はどうしてあんなにうれしそうなんだろうね」「犬はうれしいの?」「あれはうれしいんでしょう」「あんなにうれしそうだと、連れてきたくなっちゃうよね〜」

その通りです。

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