ユクは朝夕二度の散歩にでかける。
お家で排泄ができない犬なので、朝夕二度のお出かけは必須である。そして排泄された物を観て、人間は犬のお腹の調子を確かめるのだ。確かめると言っても、緩いかどうか、くらいしか分からないのだが。
朝は比較的、安定している。お腹での熟成期間が長いからかも知れない。お腹の中で留まっていることをうちではなぜか「熟成」と呼んでいる。前の日の夕方から翌朝までなので、熟成の時間はおよそ十四時間程度だ。朝ご飯を食べてから夕方の散歩までは、その半分程度の熟成期間しか取れていないからか、少し柔らかいことがある。普通の犬の便の状態がどのようなもので、何が正しいのかが、今ひとつ分からないので、そういうものなのか、とも思う。
妻は違った。
午後の便が柔らかいことを気にしているようだった。ユクの花粉症疑惑も相まって、腸活をしてやらねばならない、と言いはじめた。そこで導入されたのが、発酵野菜のふりかけ、というものである。通常犬は野菜を食べても上手く消化し活用できないそうだが、このふりかけなら、すでに発酵しているものなので、犬の腸でも有効に働くのだそうだ。主食であるドライフードにこのふりかけをかけるようになった。味も悪くないようで、ユクは最後まで丹念に容器から舐め取っている。
まだ導入して間もないが、いくらかユクの便がツルンと艷やかになったような気がする。このふりかけのおかげかどうかはなんとも言えないのだが、そのような気がする。柔らかすぎることもなくなったような気がする。気がしまくっている。
ユクの花粉症まで治まってしまったら、ますますふりかけ効果を実感するだろう。そうなると良いな。希望を持って観察を続けたい。