犬の散歩に出ていると、当然のことながら他の犬に出会うことも多い。飼い主同士がお互いの犬を近づかせようと合意が取れれば、リードを緩めて、近づかせる。そして、犬同士でのコミュニケーションがはじまる。
仲良く鼻をくっつき合わせたり、ワンプロと呼ばれるようなプロレスごっこを行ったり、はたまた、近寄ってこないで、と言わんばかりに吠えたり、威嚇したり、犬はいろいろな反応を見せる。ユクは、基本的には犬と遊びたいようだ。人間に撫でられたりするよりも、犬と遊びたいらしい。ただ、近づく際にユクは唸ってしまうことがある。もう少し静かに近づけば良いのに、と見ていて思う。唸るものだから、相手の犬もびっくりしてしまって、近づけなくなることもしばしば。ほらね。
ユクは、自分より大きな犬は苦手なようで、遠くに大きな犬を確認したときには、見なかったふりをして、匂い嗅ぎに専念したり、手前の角を曲がったりする。トラブルになりそうなものには近づかない、という危機管理の観点で言えば大変優秀だと感じるが、ビビっているだけなのかも知れない。
ユクが好きなのは自分より若い犬だ。犬が何でお互いの年齢を感じ取っているのか分からないが、ユクは接触する直前に相手の年齢を読み取っているようだ。いつもは自分からプロレスをふっかけて、飛びかかっていくユクが、相手が自分より若いと、それをしない。逆に相手の犬が飛びかかってきても、自分は暴れず、耳を後ろに倒してじっと耐えている。私はそんな年下にやさしいユクを見るのが好きだ。そういうご挨拶ができたあとにはたっぷり褒めてやるようにしている。
