ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

最初に読んで、いまでも愛読している犬のしつけ本。

犬と暮らすのは初めてなので、犬のしつけや散歩の仕方など、何も知らない状態だった。保護犬の預かりボランティアさんを通じて、ユクを迎え入れるにあたり、ケージやリードなどは教えていただいて事前に用意できたが、肝心の心構えやしつけの方法などを別に学ぶ必要があった。いまはYouTubeなどの動画を通じて犬のしつけについて学ぶこともできる。ただ、情報が多すぎてどれを観てよいか判然としない。したがって、まずは書籍を頼ることにした。書籍なら章立てがしてあるので全体を把握でき、知りたい情報へのアクセスもしやすい。

ユクを届けていただく数日前に見つけて、前夜までに慌てて読み終えた本がある。「散歩でマスターする犬のしつけ術」という本だ。この本は、散歩という行為に焦点を合わせて、散歩をしながら犬と人間との絆を構築していく、という趣旨でまとめられている。散歩は毎日のことだ。そこでしつけをしていくというのは大変理にかなっていると思った。

犬の欲求をしっかり満たしてやる。

また、著者が日本人というところも内容がしっくり来た理由だろう。シーザー・ミランのような海外のカリスマドッグトレーナーの本なども何冊も読んだ。納得行く部分も多いが、日本では難しい訓練方法も目につく。例えば、シーザー・ミランの言う有名な言葉で、「疲れた犬は良い犬だ」というものがある。どういうことかと言うと、関係性を築くために、長い散歩に連れ出したり、人間はローラーブレードを履いて、犬がへとへとになるまで一緒に沢山走る(滑る?)などをして、犬を疲れさせるのだ。疲れた犬は良く寝るし、いたずらや反抗などして発散の必要がなくなる、という考え方だ。

確かにそうだ。ユクだって、海まで歩いて、砂浜ではしゃぎまくった日には大人しく寝ている。それでも毎日そのようなことはできない。シーザー・ミランと私たちでは環境や使える時間に差がありすぎるのだ。

あのさあ、カーミングシグナルって知ってる?

そこで、先ほどの本である。
朝夕の散歩を通じて、犬との関係性を構築していく。私はたまたまこの本を最初に読み、その後、さまざま犬に関する本を読んだわけだが、後から読んだ本のエッセンスもそこに沢山入っている、と感じている。

そういうことなので、ユクが来て二年経った今でも、よく読み返している本である。犬の本全般についての復習にもなる。私にとっては、一石二十鳥くらいの本である。