ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

上目遣いで何かをアピールする犬。

朝からユクが上目遣いである。
このような表情をするときは、私たちがお出掛けしそうな雰囲気を醸し出しているときや何かもっと食べたいというときだ。ワンワン!と寄ってきて訴えるようなことをユクはしない。花咲か爺さんが飼っていたポチのようにここ掘れ!とも言わないだろう。ひたすら視線や態度で表現するのがユクのスタイルだ。

その日の朝は休日で、私たち夫婦が出勤で出てしまうことはない。着替えたりもしていない。だからお出掛けの空気は感じなかったはずだ。

じとー。

ユクの訴えポーズは様々だ。
少し音を立てるように、バタッと床に寝そべる。これを私たちは「バッタリ倒れ屋さん」と呼んでいる。ロシアのアニメーション「チェブラーシカ」から拝借した言葉だ。「チェブラーシカ」は「バッタリ倒れ屋さん」と翻訳されていた。
そのバッタリ倒れ屋さんをしているときのユクは、散歩が終わって疲れたときや少しかまって欲しいなぁ、と考えているときのように感じられる。キューバインドネシアで見た野良犬のようで、私はこのポーズが好きだ。

バッタリ倒れ屋さん。

その他には、両手を揃えて伏せる構えをよくやっている。これは「ワニさん」と我が家では呼ばれている。寂しいな、とかつまんないな、などを表現しているように感じられる。

ワニさん。

くるくる回ってからドスンと座り、丸くなって寝る、ということも毎日行っている。これはそのまま「くるくるドスン」と呼んでいる。人間が寝ている側でやることもあり、それはいささか迷惑でもある。丸くなって寝ているときは、寝ているので放っておいてください、という意味だと解釈している。

自分の殻に。

はたして、じとーっとしたこの上目遣いは何を訴えているのか。
これをするときは「あまり要求すると叱られるし、でもあれなんだよな、気づいて欲しいんだよな」と表現しているように思われる。

そうだ。
朝食後にいつも作ってやっている、ヨーグルトの皿を作り忘れていた。
それだったのか。

毎日こうやっているわけではございません。(念のため)