ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

久しぶりの飛行機。甘やかされる犬。

少なくとも二年は乗っていなかったか。とても久しぶりに飛行機に乗った。大阪から搭乗した。パンデミックを抜ける小さな穴が見つかったような空気が世の中に流れてきた。空港へと向かうモノレールの中でも大きなスーツケースを転がしたご婦人二人が賑やかにお話していた。あんた今回何ポイントやったん?とマイレージのことでも話しているようだった。ほな、それで沖縄行こか!あははははは。と聞こえてきたが、途中を聞き逃したので、なぜオチが沖縄なのかは分からなかった。それでも、何とはなしに楽しい気分にはなった。

f:id:oven9:20220116080551p:plain伊丹にある大阪空港は、いつの間にか改装されて垢抜けていた。以前のここは、レトロといえば聞こえは良いが、空を飛ぶのにこんな感じで大丈夫かいな(ここはあえて関西弁)というくらいの古さが感じられた空港であった。それが色々と綺麗になっていた。それでもまだ未来的と表現できるほどのものではなかった。どこにでもある大型ショッピングモールといった風情だ。

f:id:oven9:20220116080932p:plain席はネットで予約し、メールで受け取ったQRコードAppleのウォレットに送る。すると、Apple Watchの画面にQRコードを表示できるようになり、紙の搭乗券を持たなくとも飛行機に乗ることができる。このあたりのことは、未来を生きている感じがして気に入っている。手荷物を預ける際のタッチパネルも新しいものだった。厳密には「タッチ」ではない、非接触型なのだ。画面のボタン部分に指を近づけていくと接触なしで反応してくれる。未来だ。

f:id:oven9:20220116081116p:plainユクは野良犬の出ではあるが、飛行機に乗ったことがある。保護された宮古島から東京までのフライトだ。公園暮らしをしていた者が、スペースシャトルに乗って宇宙を飛んだことがある、くらいのことだろうか。
そう考えるとおもしろいが、当人にとっては、宇宙人に連れ去られ、謎のチップ(今度義務化される動物用マイクロチップ)を埋め込まれた、というような経験をしているわけで、さぞかし怖かったであろう。
↓飛行機に乗る直前のユク坊。

 
 
 
 
 
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そして、うちへ来た日のユク坊。少し不安そう。

ユクの脚の骨折の原因は不明だが、きっとそのときのことも心に刻みこまれているに違いない。ユクは好奇心旺盛であるから、皆と歩いていたのに、何かに飛びかかって崖から落ちて、一匹狼いや、一匹野犬になってしまったのではないかと想像している。

だから、いまはなるべく怖かったことなどを忘れていただくために、充分に甘やかしてやるのである。