ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

理想的な妻と犬。

前回の文章をアップしたのち、それを読んだ妻から「まるで家庭がうまく行っていない人が書いているようだ」とお叱りを受けた。

私としては、孤独を感じやすい無駄な飲み会や謎の集まりがこの時勢のため減少し、孤独を感じる機会も無くなり、おめでたい、くらいの気持ちを表したつもりであった。読み返してみると、確かに妻とうまく行かない夫が犬だけを頼りに孤独を誤魔化しているようにも読み取れる。文章力のなさゆえ正確に伝わらないことは多いが、夫婦のこととなると一大事である。そのような理解は打ち消しておきたい。

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仲良くやってます。

妻は私にないものを持っている。理系の道を歩んできた科学者でもある。
一方、私は絵や音楽の世界に身をおいてきた。それらに科学的なアプローチもしてこなかった。常に大体こんなものだろう、という感覚のみを頼りに生きてきた。なので、妻との生活では新しく学ぶことばかりである。おかげで目に見えない細菌を意識できるようにもなった。
妻は私にとって「理想的な妻」だ。しかし「理想的な妻」を探し求めたわけでも、そのようになっていただいたわけでも、自分が合わせたりしたわけでもない。

私は、使いやすいお茶碗を自分で作ろう、とか、自分仕様のギターをオーダーしようなどと考えたことがなく、まったく興味もない。それよりも、そこにある茶碗やギターに自分を馴染ませてゆくことで、相互的に「理想の形」になってゆくことを楽しんでいる。
これは案外、夫婦というものにも当てはまる考え方ではなかろうか。二人で作り上げてゆく「理想の形」。

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へぇ、そうなの。

何でもオーダーメイドできる世界などおもしろくはない。犬についても同じだ。「理想的な犬」を探す(ましてや作り出す)必要などない。目の前の犬に自分が馴染んでゆけば、犬もきっとそれに応えてくれる。血統が不明でも、雑種でも、時折阿呆になっても、ユクはかけがえのない、「理想的な犬」である。(知り得ることはないが)ユクにとって「理想的な飼い主」となり、「理想的な形」を目指したい。

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かったいわ、この貝殻!