ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

コミュニケーション下手な犬が、私を舐める。「シックスセンス」的展開。

ユクは四歳になった。
歳を重ねて、少し性格が変わった。変わった、というより、形成された、というべきか。
特に手を焼いているのは、散歩中に出会う犬たちとのコミュニケーションである。
何度も会っている犬たちは、概ね大丈夫なのだが、初めてお会いする犬とは、まずもって上手く交われない。

テリトリーをパトロールするユク坊。

「うちに犬、噛むかも知れませんので」というと、ユクが可哀想なので、「うちの犬、コミュニケーションが下手なもので」と申し上げて、なるべく距離を保つようにしている。相手が小さかったり、穏やかそうなときほど、偉そうに振る舞う。何とも情けないやつだ。そのことを言葉でとくとくと言い聞かせることもできない。

独りで寝る至福のひととき。

ユクも怖いのだろう。また、犬の社会性とは言うが、現代の人間社会の中で、社会性を育んでいくのは大変困難だ。フォルモサンマウンテンドッグという犬種の性質も大いに関係するものと思われる。できる限り、対処をしていく、という方向でやっていく他なかろう。

社会性ってむつかしい。

過日。
よく知っている犬たちと出会い、私はしゃがんで犬たちを撫でたりしていた。そういうことでユクはやっかんだりはしない。(と、思う)その後もしゃがんだまま、よその飼い主さんたちとおしゃべりしたり、犬たちを眺めたりしていた。誰かがおやつを出すと、ユクは威嚇をする危険性があるので、私は気を張っている。

仲良くできることもあります。

しばらくして、ユクが私の腕を舐めてきた。家ではよく身体を舐められるが、外ではあまりしない行為だ。早く行こうよ、と伝えているのか。近くにいた別の犬が私の腕を舐めてくれた。その瞬間、激しくユクが怒った。おやつでなくともこのような反応をすることがあるのか。

怒りの原因は何か。
所有欲なのか。自分が舐めてかわいがっている人間を舐められたのが気に食わなかったのか。

なに?私はかわいがられているのか。

やっと気づいたか。