ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬と一緒に行けるカフェやレストランへ、ユクとゆく。

犬と一緒に暮らすようになり、どこへ行くにも犬と一緒に行けるほうが良いと思うようになった。幸い、仕事は家でやっているので、犬と一緒に居られる時間は多い。最近は、感染症が流行したことで、打ち合わせがしたいので今すぐ来てください、と言われることもなくなった。オンライン会議が主流になったのはとてもありがたい変化だ。しかし、一緒に居る時間が増えると、片時も離れたくなくなる、犬よりも人間のほうが依存しているのではないか、と時折思う。そこはもう少し改めたい。

カフェやレストランに行くとしても、やはり犬と一緒に行きたい。むしろ「犬と」カフェへ行ってみたい。だが、ユクは落ち着きがない。私たちが何かを食べている横で大人しく座っていられるとは到底思えない。

犬を連れて入ることができるということは、他の犬が近くにいるという確率も高い。そこも問題だ。ウーガウガウガウガウッとやりあう可能性も考えられる。しかし、物事は経験だ。経験をしてみないとどこまでできるかも分からないし、改善のしようもない。私の趣味であるブラジリアン柔術に例えて言えば、勝てるようになるまで試合には出ません、と言っているようなもので、それではいつまで経っても試合には出られない。試合に出るのは早いほうが良く、出ることで、自分の何を改善すれば良いかが分かり、結果上達も早くなり、試合で勝てるようにもなってくる。

 

ということで、訓練もそこそこに、落ち着きのない犬を連れて、カフェに行ってみた。デビューは逗子にある、犬の同伴が可能なカフェで、係留する器具も備わっており、おかげで考えていたよりうまく行った。店員さんもとても優しかった。ユクは、近くにいる犬を気にはしていたが、概ね落ち着いて過ごしていた。案外行けるかも、と思った。

f:id:oven9:20210307213409p:plain

f:id:oven9:20210307213425p:plain

カフェデビューを果たしたユク

f:id:oven9:20210307213416p:plain

いい匂いがたまらなくなってきたユク

何度かカフェやレストランでの経験を経て、いよいよ近くのガーデンハウスというレストランにお散歩がてら行ってみた。近所の人に、あそこは犬も一緒に入れて良いところである、と聞いていたので、いつか行ってみたいと思っていた。

f:id:oven9:20210307213354p:plain

犬連れはテラス席へ通される。テラス席では、やはり犬連れのお客さんも多い。ただし小型犬が主流だ。こちらには係留する器具は備わっていないので、大人しく床で座っているか、小さなバッグに入って、人間と同じ椅子に座る、などのことが犬には求められる。小型犬たちはバッグに入って大人しくしていた。

ユクはユクなりに頑張っていた。座っていようと努力もしていたし、隣の犬に吠えたのも一度だけだ(すみません)。世間の目が冷たく感じられてくる。が、そんなことを一向に気にせず、ユクは立ち上がり、テーブルに前脚をかけようとする。となりのテーブルで大人しく座っている犬の飼い主さんの視線が哀れみに満ちてくる。ユクを片ほうの手でなだめながらの食事。決して優雅とは言えないランチタイムであった。サラダ、トマトクリームのパスタ、しらすのピザ、スパークリングウォーター、を注文した。ユクにも食事を持ってきていたので一緒に食べさせたが、犬は食べるのが早い。暇になる。イライラが募る。やがてユクの忍耐も限界に達してきて、早く外に出たそうにしたがる。もう少し待ってくれ、ごめんよ、ユク坊。あわてて食べる私たち。

f:id:oven9:20210307213348p:plain

開放されたユクは早く歩きたい

お会計を済ませて、外に出た。ユクは開放感にあふれていた。行くぜ行くぜと、いつもより引っ張っていった。犬とゆっくりテラスで食事、というよくあるイメージとはまったく違ったが、出された食事の写真は一枚もないが、私たちはとても楽しかったぞ、ユク坊。また行こうね。まずはテーブルに脚をかけない練習からだ。