ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

二度目の動物病院。今度はペットタクシーで。脚(膝)の手術を勧められ、決断に迫られる。

前回は歩いて連れて行った動物病院。抱っこして坂を登ったり、犬用のバッグに入ってもらうために犬を懸命に説得したりすることを毎回は出来ない。

そこへ、妻がペットタクシーなるものを調べて見つけてくれた。自動車がないけれど、犬を遠くに連れて行かねばならない私たちにぴったりのサービスだ。私たち夫婦は運転免許証を持っているものの、普段はまったく運転をしない。いわゆるペーパードライバーで、自動車もない。レンタカー利用を考えて、調べてみたが、レンタカーではペット同乗不可のところが多く、乗せてよくても、クレートに入れた上で荷台に、ということだった。ユクはそもそもクレートにも入らないので駄目だ。普通のタクシーも、まずペットは乗せてもらえない。そこでペットタクシーである。


予約をした日、そわそわしてペットタクシーの方が来てくださるのを待った。乗るのを全力で拒否したらどうしよう。車中で暴れたらどうしよう。などなど不安は尽きない。
乗った。案外すんなりと、ユクがタクシー後部座席に乗ってくれた。私たち夫婦がユクを挟む感じで並んで座った。ユクの身体が震えはじめた。ぼく、どうなってしまうんだろうという怯えたときになってしまうあれだ。大丈夫大丈夫と身体をさすってやって励まし続けた。


ああ、ここを抱っこして歩いたよなぁ、などと車窓を眺めながら、そんなに遠くない日の思い出に私は浸っていた。着いた。あんなに大変だった道中が、車だと15分くらいで来られる。
病院でもまた、ユクは震えていた。さするさする。今回は脚のレントゲンを改めて撮ってもらった。

「どうして来たんだっけ?ああ、股関節ね。うーん股関節というより、痛いのは膝かも。膝も悪いね」と、レントゲン写真を見ながら先生。股関節の大きな手術をする前に、まずは膝の手術をして様子を見たほうが良いと言われ、さっそく手術の予約をした。


帰りもペットタクシーで送っていただいた。前は丸一日仕事だったのが、今回は半日で済んだ。ありがたい。

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手術の予約をしたものの、私たち人間は迷っていた。ユクは何も知らないし、人間の言葉が分からないので、知る由もない。そんなユクに対して行わなくてはならない大きな決断の重たさに身を固くした。先生が、私たちが前に来たときのことを忘れていたのも気になっていた。憶えておいて欲しいとは流石に思わないが、カルテに記録しておいても良いものだろう。先生を信じきることができない。

別の先生にも診せてみよう。それが私たちの結論だった。そして、手術の予約は一旦キャンセルすることにした。