ユクは脚が悪いので、動物病院に連れていく必要があった。評判の良さそうな病院を探すが、少し遠い。そこまで行くためにはユクに、犬運搬用のカバンか、底に車の付いたクレートに入ってもらう必要がある。さっそく車付クレートとカバンを購入した。
が、ユクはこれらに絶対に入らない。いつもは大抵のことは受け入れるし、おやつをあげればなんとかなるのだけれど、カバンやクレートに入るということだけは、断固として拒否をする。よほど嫌なことでもあったのだろうか。もともとは野良犬であり、保護されたときには嫌がってもクレートに入れられたりしただろうから、そのときの負の印象が根付いてしまったのかも知れない。
カバンに入ってもらい、電車に乗って動物病院に行く、という私たちの計画は崩れ去った。少し距離はあるが、歩いて行ってもなんとかなる。そんなこんなで、初めての動物病院は、歩いて連れて行くこととなった。
