ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

雪のことは知っている犬。べちゃべちゃは駄目なんだ。

初めて雪がはらりとしたとき、少し戸惑っている様子が見えた。犬の話だ。
白いひらひらしたものを食べようと試みたりしていた。
その後、積もった雪も経験して、雪の上をたくましく、楽しそうに歩くようにもなった。気温が低い冬に降るもので、これで雪合戦をしたり、雪だるまを作ったりして遊ぶこともできるんだよ、と犬に説明しても分かってもらえない。だが、ユクなりに、何かそういうものである、と認識したのだろう。怯えることも戸惑っている様子も見られなくなった。

結構降ってきた。

今年は暖冬だ。
年末年始も拍子抜けするほど、暖かかった。少し冷えてきたな、と思った二月に雪が降った。普段積もらない都心は大騒ぎである。谷の多い北鎌倉は日照時間の少ない場所が多い。一度積もるとしばらく残っている。雪が降ると車が少なくなってよろしい。犬の散歩には快適だ。

積もり始め。すでにべちゃべちゃしてる感じ。

その日、夜になって雪が積もりはじめた。
人間に用事があって、散歩に出遅れたので、雪の散歩となった。

ユクが玄関土間に降りたがらない。
濡れているのが嫌らしい。なんとデリケートな犬。
仕方がないといったゆっくりとした動作で土間に降りる。Tシャツ、ダウン、レインジャケット。着せすぎではないか、と思ったが寒さに弱い南国出身の犬にはこれくらいが必要なのだ。

色々着てるし光ってます。

出掛けてしまえば、楽しそうに歩いている。雪の上からでも匂うのが不思議でならないが、夢中になってクン活をしている。お寺の参道を歩き、適度なところで引き返そうとしたら、奥の階段をぐいぐい引っ張っていく。晴れた早朝ならまだしも、雪降る夜の山は勘弁してほしい。なだめすかして、階段を下り、家路に就く。

なかなかにワイルドなユクの足跡。

翌日。
雪は少しべちゃべちゃしていた。気温が上がったのと、雨が降ったのだ。
ユクのテンションは明らかに低くなった。

雪は好きだが、べちゃべちゃは嫌いなのだ。
玄関土間は濡れている。