ブラジリアン柔術の大会に出てきた。
ここのところ、六連敗中だった。六連敗もすると、また負けたらどうしよう、の気持ちが大きくなり、試合にエントリーすることへの恐怖も大きくなる。ただ、いつか試合には勝ちたい、金メダルを首にかけてもらいたい。そのためには、試合に出るしかないのだ。試合を回避すれば、負けも回避できる。しかし、金メダルも絶対に獲れない。
ただ、それだけで、試合に出なければ勝つこともない、というそれだけで、連敗の恐怖のなか、試合にエントリーした。今回は、わざわざ名古屋まで遠征である。妻にユクの世話をお願いし、土曜日に名古屋へ行った。
減量、節制している身体である。わらじ豚カツもひつまぶしもあんバタートーストもデカ盛りモーニングもなしだ。スポーツドリンクをちびちび飲んで、愛知県武道館に向かう。家で犬とぬくぬくしているほうがよっぽど楽だ。どうしてこのようなプレッシャーを感じることをやっているのか。
金メダルを獲る可能性がわずかでもそこにあるためだ。
結果、優勝した。金メダルだ。
ユクがうちへ来てから初めての金メダル。コロナを挟んで六連敗。長かった。何年ぶりだろうか。この喜びは試合に勝たないと味わえない。
ユクに金メダルを見せた。
匂いを嗅ぎに来たけど、なんだ食べ物ではないのか、という感じ。
早く散歩に行こうぜ、と伸びをしている。
おう!行こうぜユク坊。
三試合もやって、疲れているが、足は軽やかに駆け足となった。