ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬なしで越える、建長寺の山。

引っ越してきてもユクがお留守番を上手にできるので、久しぶりに夜の食事に出かけた。以前住んでいた家の近所にあるレストランである。

留守番かぁ。

店主に引っ越したことを告げると、「最近、お会いしないな、と思っていました」と言われた。朝の散歩の時に、時折お会いしていたからだ。席数が限られていて必ず予約をしなければいけないお店なので、計画性なくふらっと食べに出たい私たち夫婦には少しハードルが高い。たまたまSNSなどでキャンセルが出たことを知り、ふらっと予約させていただくことが多いのだが、今回もそんな感じで二日前に予約ができた。

ここはお店ではないはず。

歩いて二分だったのが、微妙に遠くなった。
北鎌倉もユクと歩いていけばそんなに距離を感じないものだが、犬なしで歩くとそれなりに感じてしまう。不思議なものだ。鎌倉から北鎌倉へ行くためには、建長寺のところの山を越えていかねばならない。夕方になって、そんなに暑くもなかったのだが、楽をするため江ノ電バスを利用することにした。少しの距離だが二百四十円かかる。バスも高くなったものだ。長らくバスを利用しない生活だったが、引っ越してきてからは割と乗るようになった。四十年ぶりくらいのことだから、高くなっていて当たり前か。

ぼくなら歩いて半時間!

ずっとユクといるものだから、食事をしていてもユクがどうしているのかが気になって仕方がない。見守りカメラは、ユクが動くとスマホにお知らせしてくれる。お知らせがあるたびに、ユクの様子を確認してしまう。お留守番のあいだ、ユクは大体寝ている。たまに水を飲んだりするが、あとは寝ている体勢を変える程度だ。

寝相は良くないユク坊。

とっくに気づいてはいたが、飼い主の分離不安がひどい。

手間暇かけて作っていただいたお皿は、どれも美味しかった。だが、少し、本当に少しだけ、ユクの分だけ寂しい。それに、犬は寝て待っているだけなのだが、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

家では再現できないアラビアータ。

お家で食べるのが、正解なんだろうな。
ということを強く思った日だった。