散歩中、コーギーを連れたマダムとお話しする機会があった。初めてお会いする犬と飼い主さんだった。

ユクは、コーギーの友達もいるにはいるけれど、初対面だと難しいだろうなと思っていた。案の定、よそ見をして接触を回避する行動に出た。「ぼくはクン活に忙しいので、放っておいてください」という感じの対応だ。牙を剥き出しにして吠えるより大人な行動なので、私たちとしても大変助かっている。ユクも成長したものだ、と感じている。

マダムと少しお話をしていると、「平和のための活動だ」とか、「アメリカで」、「僧侶が」という感じで、断片的に言葉が聞こえてきた。犬同士が仲良く挨拶をしない分、人間同士は少し離れて話さざるを得ないのだ。
こちらのコーギーはアメリカ帰りで、向こうでは平和活動に従事していた凄い犬なんだな、というふうにイメージしていた。しかし、お話を続けていると、そちらのコーギーの話ではなく、「アロカ」という名前の犬がいて、アメリカで僧侶たちと平和の行進をしている有名な犬がいるのだそうだ。その「アロカ」にユクが似ている、と仰るのだ。

「とっても有名」とのことだけれど、私たちは知らない。さっそくスマホを取り出し、「アメリカ、僧侶、犬」で検索してみた。

ユクが出てきた。いや、ユクに似た犬が検索結果に表示された。確かに似ている。
ウィキペディアによると、インド巡礼中のベトナム系アメリカ人僧侶たちに付き添い始めて、その僧侶たちが野良犬だった彼を引き取り、アメリカに連れ帰ったそうだ。その後、「平和のための行進(Walk for Peace)」に付き添い、テキサス州からワシントンDCまでの行進を行ったことで有名になったらしい。

抱っこされている姿も似ている。歩く姿も似ている。手足の斑点模様も似ている。寝ている様子も似ている。偉そうに座る様も。

ユクの耳は垂れ耳だが、アロカは垂れていない。アロカの背中は斑点模様よりも茶色の面積が大きい。大きな違いはそんな所で、あとはとても良く似ている。

もう一つ大きな違いが!
アロカは人懐っこいが、ユクはそうでもない。