ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

地名の踏み絵と、永福寺跡の風。

永福寺を「えいふくじ」と読んでいた。本当は「ようふくじ」と読むそうだ。その地域では当たり前の読み方でも、他所からやってきた者にとっては難しいことがよくあるものだ。

ここに「二階堂」が建っていたらしいよ。

大阪では本町を「ほんまち」と読む。堺筋本町は「さかいすじほんまち」である。小田原に住んでいたことがある。住所は本町だったが、読み方は「ほんちょう」であった。すぐに慣れたが、大阪からやってきた人はきっと「ほんまち」と読むはずだ。

また、どうでも良いことを言うとるわ。

鎌倉に小坂小学校という学校がある。これも「こさか」と読んでいたが、地元の読み方は「おさか」である。「こさか小学校の方へですねぇ」などと話していたら、「この人は地元の人ではないのだな」と思われたことだろう。実は、読み方を工夫することで地元の人ではない者をあぶり出す効果があったのかもしれない。

永福寺跡のきれいな芝生。

大阪にも特殊な地名が沢山ある。大阪で暮らしていると慣れてしまって普通に感じているが、よく考えてみると、なかなかに読みにくいものも多い。放出は「はなてん」と読む。喜連瓜破は「きれうりわり」。松屋町は「まっちゃまち」だし、浪速は「なにわ」である。浪速を「ろうそく」などと読んで話している人がいたら、確かに目立つ。よそ者認定である。

海辺を表現したと思われる永福寺の池。

近くになったので、永福寺(ようふくじ)跡へは散歩でよく伺うことになった。妻から「近所の人とお話していたら、皆さん『ようふくじ』と言っている」と聞いた。それで調べてみたら、本当に「ようふくじ」だったのだ。これでは東京にやってきた田舎者(私のことだ!)が豊島区を「とよしまく」と言ってしまっているようなものだ。

鳩サブレーも「としまや」。

永福寺「跡」というだけあって、建物は何もない。その土台だけが再現されている。また、池も復元、整備されているので見応えがある。あとは訪れた人の想像力に委ねられている。

ひたすら嗅ぐ!

怨霊を鎮めるために建立されたという永福寺。そんな由来を知る由もなく、ユクは現代に生きる犬や獣たちの匂いを嗅ぎ集めている。私も新緑が発したような空気を胸いっぱいに吸い込んだ。