ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

神域を避け、北鎌倉へ。

引っ越す前から冗談混じりにそのようなことを言っていた。ユクは北鎌倉に行きたがるだろうね、と。
引っ越してきてからは、当初それほどそのような素振りは見せなかった。近所の珍しい匂いを一生懸命に嗅ぎ集めている感じであった。

いま、大事なところなので。

玄関を出てから「右へ行くか左へ行くか問題」が、新しい家でもある。以前は、ざっくりと北鎌倉方面か、鎌倉方面かという二択であった。鎌倉に向かえば、大体は海に向かおうとする。海まで行って帰ってくると三時間以上かかる半日コースである。なので、覚悟を決める必要があり、週末に実施されることが多かった。

広大なクン活会場、永福寺跡。

私は二階堂、永福寺あたりを散歩するのが好きになった。同じエリア内でもルートの選択肢があり、バリエーションを楽しめるからだ。ユクは行けばそれなりに楽しんでいるようだけれど、玄関を出てすぐは必ず鶴岡八幡宮へ向かおうとする。

神域。

私は鎌倉に住んでしばらくになるが、鶴岡八幡宮は好きじゃない。無論、犬の出入りに厳しいからに他ならない。犬とお参りをさせてほしいと言っているわけではない。ただ、通り抜けたいだけである。「神域」と仰るが、宮司をはじめ職員の皆さんはそんなにも清廉潔白なのだろうか。

読み下しが難しいのは私だけだろうか。

とにかく、鶴岡八幡宮様はそのような状態であるので、足を踏み入れたくない。にもかかわらず、最近のユクはそこに行こうとするのだ。

行きたいところに行かせない日が続くと、申し訳ない気持ちが蓄積してくる。だから、その日の気分で、ユクの引くままに散歩を進行させることもある。仕事の都合もついたので、ユクに引かれるままに散歩を始めた。

北鎌倉へ向かうトンネル。

目的地は北鎌倉だ。どこに連れて行っても、何とか北鎌倉へ行くルートに戻してくる。鶴岡八幡宮に行こうとしているのではなく、その先の北鎌倉を目指していたのだ。

北鎌倉駅前で好きな子に会えてご満悦のユク坊。

ユクはこれまでの人生のほとんどを北鎌倉で過ごしてきた。犬や人間の友だちは、北鎌倉で作ってきたのだ。北鎌倉に行けば、「ユクちゃん!」と声をかけてくれる人も多い。私も慣れた道が多いので悪くはないのだけれど、毎日は大変だ。

いつものルートを歩いているだけさ。

ユクは、ケロッとしている。
あれこれ考えてなどいない。