新しい家に住み始めた。
照明のスイッチなどもシンプルで気に入っている。
ただし、スイッチに「玄関」「廊下」「洗面」など、どこの照明が点くのかといった説明書きはない。そんなものが記載されていては無粋だ。だからスイッチたちは名無しで佇んでいる。人間は間違う。思いもよらないところが明るくなる。学習して段々と慣れてくる。格好良く暮らすのも、努力と慣れがいるものだ。

暮らしの動線もある程度考えて作っているのだけれど、いざ住み始めて使い始めると、効率よく動きたいのに、余計な動きをしてしまうことが多々ある。これも学習と工夫と慣れが必要なことである。
日々、同じことをすることが好きな犬は、慣れの部分の習得が早い。人間は色々と考えることが、むしろその習得を遅くしているのかもしれない。

犬の便を「ポイ太くん」で拾って、家のトイレで中身を流し、外のビニールを燃やすゴミとして捨ててきた。引っ越してからは、少し方式を変えた。家の外に専用のゴミ箱を用意して、そこに拾ってきた袋ごと入れておく、というやり方にした。ゴミの日に、その箱に入ったものも一緒にまとめてゴミ出しするのだ。

これによって、家に帰ってきてから、ポイ太くんの中身をトイレに流す、という一手間を減らすことができた。玄関前で人間がゴミ箱にポイ太くんを入れることを、ユクはすぐに覚えて、お座りをして隣で待ってくれる。賢い犬だ。

ガタゴトゴト、バッタン。
たまに、玄関に設置しているゴミ箱を開けて、閉める音がする。

通行人がゴミを投げ入れているわけではなさそうだ。
おそらく、「置き配」をされる宅配業者の方が置き配ボックスと間違えて、開けてしまっておられるように想像される。「うわ!なんじゃこれ!」となっておられるかもしれない。大変申し訳ない。

ただ、「これは犬用のゴミ箱です」と箱に記載するのは、あまりにも無粋だ。