ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

祈り亀と、遠くの犬。

先生宅の初釜のお手伝いがあり、大阪にいる。
事前にいただいた道具組の一覧(文字ではあるが)を眺めながら、江戸時代に思いを馳せている。

新石切にある細いビル。

大阪は「えべっさん」ムードだ。
「商売繁昌で笹もってこい!」という掛け声とともに、チキチキと金物も打ち鳴らされ、街は大変賑やかである。えべっさんにお参りし始めると、きっと止められない。自分で仕事をし始めた頃から、そんな気がしていた。だから特別に笹を買ったりしたことはない。大阪天満宮の本殿にのみご挨拶をして、東大阪へと向かった。

得意技は二度寝

目的は石切劔箭神社への初詣である。大阪では「石切さん」と、親しみを込めて呼ばれている。
もう十年以上通っている。こちらは行き始めたので止められない。止められないから行っている、というのが正直なところでもあるが、毎年決まって足を運ぶことで、必ず自省する時間が持てるという点で、良い習慣だと思っている。道中の風景は変われど、毎年、していることはまったく同じだ。

ユク坊は触らせないだろうな。

新石切駅まで電車で行き、石切神社の参道を歩く。手水で清め、本殿にお参り。祈り亀を納め、決めている三箇所にも参り、手を合わせる。最後におみくじを引いて結び、石切神社をあとにする。そこから坂を登っていく。よもぎが名物なのか、よもぎの天ぷらやよもぎ餅を売る店が並んでいる。占い師の館も数軒ある。おみくじで凶が出た人などをターゲットにしているのだろうか、などとつい勘ぐってしまう。

商店街の坂を登っていく。

ここでも、決まった餅屋でみたらし団子を食べる。
「白とよもぎを二本ずつください」とお願いすると、「お持ち帰りですか」と聞かれた。「ここで食べます」と答えると、少し驚いた顔をされた。食べ終えてみた感想は、半分で良かった、である。お姉さんの反応は正しかった。

私は一人です。

さらに坂を登ると上之社というところがある。
ここにお参りしたあと、さらなる奥でお礼亀を納める。

納められた亀さんたち。

帰りは石切駅から電車に乗った。

妻からユクの「ワンちゃん芸」の動画が送られてきた。
ぬいぐるみを咥えて投げる動作が、確実に上達している。見事に投げたあとは、舌で口の周りを舐めて、おやつを食べる準備をする。オスワリをしてカメラをじっと見つめている。賢い犬だ。

魚が生きているように見えるユク坊のワンちゃん芸。

大阪の街なかでも、さまざまな犬が散歩している。
今朝は大型の雑種犬を見かけた。毛色が茶白だったので、勝手に親近感を覚えた。豪快に足を上げ、植え込みにマーキングしている。格好いいな、都会で頑張れよ、などと思いながら眺めていた。

パフォーマンスは終了しましたけど?あれは?

あまり見つめていると、「こんなところでマーキングさせてはいけないよ」という意味に取られてしまうかもしれない、と思い、さり気なく目を逸らした。
ユクとも、きっと仲良くできそうな犬だった。