大阪、新大阪、新横浜と都会の駅を経由して鎌倉に帰ってきた。
降りたのは、鎌倉の一つ手前、北鎌倉。

夕方に着いたので、もう人もまばら。北鎌倉のお寺が午後四時から五時の間に一斉に閉門してしまうからである。また、今は夏休みで学生も少ない。部活動をする生徒たちがたまにいる程度だ。お盆休みに突入した新幹線の駅は、転がすタイプのケースを引いた人が多くなる。あれを転がすことで一人で三人分くらいのスペースを使うことになるから、混雑具合が高まる。また、運行状況の掲示板を見て立ち止まったり、地べたにへたり込んだりする客も多い。

ただでさえ混んでいるところへの耐性が低くなってしまった私にとって、人で溢れた新幹線の駅は苦痛だ。なるべく空いたところを通り、目的のホームに上がってしまう。ホームでも人が通行しない辺りを素早く見つけ出し、そこに立って乗り込むべき列車が来るのを待つ。発射時刻ぎりぎりに来れば良いものだが、それもできない。大体三十分前くらいには着いてしまう。これでもマシになったほうだ。以前は一時間前には到着していた。
ただし、二年に一度くらい、早く着くように行動していることが功を奏し、結果的に遅刻しなくて済む、ということが起こる。

帰ってきたら、犬との再会である。
夕方の散歩の時間が近づいているからか、ユクは大変に気持ちが高ぶっていた。くるくる回りながら歌舞伎役者のようにあらゆる方向に見得を切っている。私が帰ってきて喜んでいるわけではないが、興奮のトリガーにはなったようだ。

妻とユクと、人もまばらな北鎌倉の線路沿いを歩く。
都会は何かと便利だが、人が多すぎる。北鎌倉の密度に慣れてしまったのだろうか。
若いときは毎日でも都会でショッピングを楽しんでいた。
それを思うと、歳のせいだろうか。