ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

ひとりではたらく人と犬。

秋や冬には出張が多くなるが、春や夏は家で仕事をしていることが多い。
もう少し分散して出張できれば良いな、とも思うが、まとまっているほうが良いこともあるだろう。一年中忙しないのは好かない。少しゆるい期間があってもよいではないか。二十代や三十代のころは一年中忙しくてもなんとかなった。仕事だけではない、遊びや趣味も全力で稼働させていた。四十ともなると、夕方になると頭を使う仕事ができなくなってきた。頭を使わなくてもよい、ひたすらに画像を小さくするだけの仕事などを夜用に残しておき、画像加工ソフトで無心に作業をするようなことをしていた。

なにも考えてない。

十年前くらいからは、そんな作業の必要もなくなった。
決まった作業はプログラムしておいて、ボタン一つでやってくれるようになったのだ。人間の仕事がコンピュータに奪われた瞬間を感じることもなく、仕事が楽になったと歓喜しただけだった。

人間を喜ばせるお仕事。

今後はAIだろう。
部下や手下にお願いしていたような面倒な作業はどんどんコンピュータがやってくれるようになった。嫌な顔もしないし、頼みにくくもない。私にはここ二十年ほど部下や同僚がいない、つまり独りで働いているのでコンピュータの働きに支えられていると言っても過言ではない。だからついつい相手が機械なのに、人間に話しかけるような態度を取ってしまう。「ドラえもん」を読んで育った私にとっては何ら不自然なことではない。万物に魂はあるし、機械にもあるような気持ちで暮らしている。

万博にあったAI。

一緒にいるのは機械だけではない。
五年ほど前からは犬も一緒だ。以前はよく仕事部屋まで様子を見に来てくれたが、最近はあまり来なくなった。仕事に集中できて良いのだけど、少し寂しい。だからこちらからついつい犬の様子を見に行くようになってしまった。これも犬の術中ということだろうか。

警報は寝て待て。

昨日はカムチャツカ半島のほうで地震があり、鎌倉の電車やバスが運休してしまった。
私は夜の用事があったのだけれど、津波警報のためキャンセルとなった。だから、妻にお願いしようとしていた犬の散歩に行けるようになった。家の前の道路では、すでに鎌倉から歩く人の列ができていた。北鎌倉駅のほうまで来ると、大船駅のほうから歩いてきたと思われる人たちの列もあった。

今日は鳴らないね。

呑気に犬と散歩ができて幸せだ。
今日は踏み切りも降りることはない。