ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

紫色の小さな花。

犬を散歩に連れて行く、と言うが、実際にはさんに付き合っている、という状態だ。犬のわがままは人様に迷惑をかけないことであれば、なるべく聞いてやりたいと思っている。そういう飼い主が多くなったようにも感じる。犬族にとってはとても暮らしやすい時代になったことだろう。世界は確実に良くなっている。

しんけん。

と、いうわけで、ユクの散歩に付き合って、その様子を眺めていると、右へ左へ前へ後ろへ、匂いを嗅ぐことに忙しそうだ。顔つきは真剣そのもの、ふざけた様子は一切ない。たまにぺろっと舐めることもある。匂いだけにしておいて欲しいものだ。ぺろっとしたあとには、何だかもぐもぐと味わうような様子を見せることもある。恍惚の表情をしている。何を確認しているのだか、勘弁して欲しい。

ほっといて。

今朝もお寺の参道を散歩していたら、わき道にそれて、草むらを真面目な顔をして嗅ぎまわっている。付き合っているこちらは、ユクの頭上からその様子をぼんやりと眺める。ふと、小さな花が目に入った。紫色の本当に小さな花だ。なにか見間違えたのか、とも思ったが、屈んで観察してみると、たしかに花である。

小さな青い花

こういうことが、度々あるので、犬の散歩に付き合うことがやめられない。いや、どっちにしてもやめられない。

君の名は。