ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

MRIで撮影された飼い主。持っている物で闘え!

ミライではない。
エムアールアイだ。

はいはーい、聞いてるから続けて。

未来のために撮影してもらう訳だから、あながち誤りでもない。人生において四度目だろうか。MRIで撮影していただいた。
今回撮影して診察していただくのは首だ。難しい言葉で言うと頚椎である。人間の頚椎は七つの骨でできていて、重たい頭を支えている。若いときから首は良くなかった。だから格闘技は見る専門で、自分ではできないものだ、と決めていた。それなのにいま、ブラジリアン柔術を自分が楽しくやっているというのは不思議なものだ。できないという決めつけは良くない。

へぇ。それから?

首が痛くても、柔術はできる。
しかし、やはり首への負担は大きい。それ以外に机の前に座りっぱなしの仕事の仕方も良くないと思われる。これも二十代の頃から同じスタイルだ。ただ今は自分ひとりの空間で仕事ができているので、心的なストレスはない。しかし、いくら猫背でも、アクロバティックな格好でも、それを注意してくれる同僚がいない。悪い姿勢をとり放題ということになる。

日常における悪い姿勢と柔術により、私の首はずいぶん悪くなった。加齢もあろう。ちょっと腕がしびれるので心配になってきた。ネットで調べてみると、頚椎症というものに思える。

聞・・い・て・る・・よ。(寝取るがな)

そんなことで整形外科を受診した。
すぐにMRIで見てみましょう、ということになった。頭部をがっちりと器具で固定され、「動かないでくださいね。つばも飲み込まないでくださいね」と言われ、暗い筒状の機械に押し込まれた。こんなところユクが入ったら暴れまくって大変だろうな、とかいつもながらそこにいない犬のことに思いを巡らせていた。

つばも?と気付いたときにはもう遅かった。ああ、もう一度ごくりとしておけばよかった。ああ、喉の奥が乾いてきた。ごくりとしないと、これは苦しい。ウイーン、コンコンコンコン。我慢ならず、一度だけごくりとしてしまった。これで台無しになってしまうのか、とても心配したが、無事私の頚椎画像が先生の前のモニターに映し出されていた。

首の柔軟性に自信あり。

たしかに七つある。ネットで見たような画像だが、私の頚椎である。ヘルニアがある、と言われた。ネットでの予習、予測通りだ。予想外だったのは三箇所もそれがある、ということだ。七つの骨しかないのに三箇所もヘルニアがあるのだ。頚椎症、頚椎ヘルニアという診断名だった。これも予習通り。

あんまり無理すんなよ。

ユクは左脚が悪い。うまく使えないので、筋肉が付いていなくて細い。それでも走る。ジャンプする。お馬鹿(馬鹿走り)になったあとはしびれるのかお尻のほうをかじったりしている。それでも走り回っている。

自分の身体の状態を受け入れて、使える部分で頑張っていく。そんな心意気をユクから学んでいる。