小学生のときは六年生の三学期まで一日も休まず学校に行った。風邪をほとんどひかなかった。学校も大好きだった。インフルエンザというものにかかったこともなかった。
大学生になり、だらしのない生活をするようになってからか、風邪をひきやすい体質になったと記憶している。二十代になるとそれに拍車がかかる。社会人になってもなおバンドを組み、タバコの煙と酔っ払いの渦巻く地下空間に出入りしていた。それは風邪もひく。
コロナのパンデミックで、風邪をひかない一年間というものを久しぶりに経験した。なかなか良いものだった。良いものだったので、パンデミックが明けたあとも、大阪に出張する際はマスクを着用したり、免疫力が上がるというヨーグルトドリンクを飲んだりもしていた。
ダメだった。寒さを感じたときには遅かったのだ。
日曜日は一日寝ていた。
犬が付き合ってくれた。散歩は妻が朝夕行ってくれた。今が何時なのかよくわからない状態になった。食欲もない。
月曜日。
近所のクリニックに行った。発熱外来ということで、別の入り口に通された。わしゃバイ菌かい!という気分だったが、そう、バイ菌みたいなものだ。ウイルスを持っているのだから。
鼻にコヨリを挿れられた。結果はその場ですぐに分かるらしい。コロナもインフルエンザも同時に確認できるとのこと。
看護士さんが「インフルエンザですね」とおっしゃった。少しうれしそうに「はっきり出てます」と続けた。覗くとAというところに筋がくっきりと入っていた。
二日間は食欲なし。三日目熱も下がり、少し食べる。四日目はもう少し食べられるようになった。五日経てば、犬を散歩に連れていけるだろう。
妻とユク坊に感謝。