数年毎に仕事で使っているパソコンとケータイを新調する。性能が少しでも上がれば、仕事の効率も良くなる。数割の話であるので、本当のところはそんなに寄与していないかもしれない。アップルのコンピュータに限って言えば、アップルシリコンという、独自のチップを搭載するようになった瞬間は劇的に変わったが、その後の独自チップのアップグレードにおいては、微細な更新にとどまっている。
つまり、仕事の効率がとても向上した、とは言い切れない。
年々アップデートされるソフトウエアにも問題がある。ソフトウエアがアップデートによって肥大化していく。具体的にはハードウエアのメモリとハードディスク容量を多く必要とするようになった。だから、パソコンをアップデートせずにソフトウエアだけをアップデートし続ければ、動作が重たくなってくるのだ。
やがて、古いハードウエアは新しいソフトウエアの動作保証が対象外とされていく。
そのような進化をすごい速度で進めて行きながら、何が、環境に配慮しています、だ。と思うが、これ以上は申すまい。
新しいパソコンに環境を移行するのは一苦労だ。十年前よりはずっと楽になった。何せ、使っているパソコンと新しいパソコンをケーブルで繋げて、「環境を移行します」と命令するだけで良い。それもコーヒーを一杯飲んでいれば終わる程度のことだ。
移行の完了した新しいパソコンを起動する。
インストールされているソフトウエアもそのまま移行されているし、フォントの設定も同じ。無線の設定や面倒なネットワークの設定も問題ない。とても良いのだが、新しい物にした、という感覚が希薄だ。パソコン本体の色も気分を変えようとブラックにしたが、これまでのパソコンはミッドナイトという色なので、ほとんど変わらない。
便利になった分、こういうところの感動はなくなっている。便利は便利だが。
同様にケータイ、いやスマホも機種変更した。少しの変化にお金を払うのか、と少しのためらいもあったにはあったが、こういうときの理由付けは犬になる。
ユクの写真を新しい機能が備わったカメラで撮りたい。それだけだ。あとは何ら変わらない。アプリのアイコンも同じ並びだ。落としても大丈夫なように頑丈なケースに入れてきた。そのメーカーの製品が気に入っているのでそれを買った。見た感じほとんど同じである。
それでも持って分かるくらいに軽くなった。いや微妙な変化なのだけど、少しだけ軽い。
新しいiPhoneの新しいカメラでユクを撮る。
やはり微妙だ。苦笑い。