ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

黒柴と朝散歩。

具合が悪い。
人間の話である。

今年は忙しい。イレギュラーで、柔術の仕事と大学の仕事と茶道の稽古が週の真ん中に三日間あることになった。大阪への移動も含むので、なかなかに疲れる。自分が好きで招いたことなので、嫌なことではない。ただ、身体は疲れる。

ユク坊!

大学では毎週都合四時間ほどの講義を行う。毎年毎回一所懸命に話す。熱弁をふるうといったところだ。うつむいてばかりで、おそらく他のことをしている学生も多い。じっとこちらを見て、何かを得ようとしている学生もいる。義務教育ではないし、もう充分な年齢の人たちなので、わざわざ受講態度を細かく言うことはしない。おとなしくして座っているだけなら、マシである。だから、せっかくの縁なので、私は一所懸命に話をする。

喉が枯れる。
水を飲むタイミングを逸するのだ。もっと水を飲みながら話をしなければならない。講義を終え、新大阪駅から新幹線に乗り込む。駅弁は京都までに食べ終えることがほとんどだ。電車も駅弁も心がふわっとなる。鉄道マニアになろうと思ったことは一度もないが、鉄道という人類の生み出した文明に心躍っているのだろう。少し気持ちが分かる。

関西のICカードキャラクター、イコちゃん。

鎌倉に帰ってきて、関西土産のカールを食べた。翌朝。喉が痛い。

風邪という訳ではなさそだが、喉が痛い。
夕方、ユクとの散歩に出掛けた。寒い。急に冷えるではないか。もう一枚羽織れば良かった、と後悔した。

また翌朝。
昨晩は風邪薬を飲んで、マスクをして寝た。
少し良くなった気がする。

朝散歩の準備を妻がしている。私が臥せっているので、気遣ってくれているようだ。曜日の感覚がなくなっていたが、聞けば土曜日ということである。久しぶりに朝の散歩から夫婦と一匹で出掛けたくなった。

寄り添い犬。

お寺の参道まで行くと、おはようございます、と元気な声が聞こえた。黒柴とその飼い主さんだった。黒柴はユクと遊びたそうだ。プレイバウをしてやる気満々である。飼い主さんは脚が良くないので困っておられる。私がリードを持ちましょう、と申し上げた。身体がだるいと思っていたが、黒柴が駆け出すので、私も駆けた。

借りてきた犬は堂々としている。

代わりに黒柴の散歩も託された。お安い御用だ。私が黒柴を、妻がユクを、という布陣となった。ユクは怪訝な顔をしている。なぜこやつも一緒なのか、と、私の顔を何度も見上げる。先の方へ行っては振り返る。

普段からあまり嫉妬するような感情を見せないユクだ。嫉妬とは違う感じはするけれど、何かを言いたげではある。
このままこいつも家まで来るのではないか、とでも思っているのだろうか。

古くからのワンプロ仲間です。

無事、二頭連れでの散歩を終え、黒柴をお返しした。具合が悪かったが、朝の散歩に出てきてよかった。またたまには行こうな。