ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

大好きな子に、はっぱをかけられたユク坊。

ここのところのユクは、いつものフードを食べなかったりする。朝は食べないけど、夜は食べたり。一日食べないわけでもない。好きなヨーグルトは食べる。ドライフードを食べたり食べなかったり。嗜好の変化か、夏バテか。いろいろと考えさせられる。

その日も夕方の散歩まで、あまり食べていなかった。そんな状態で大丈夫なのか、と思うが案外歩く。道々、草を食べようとする。胸やけでもしているのか。挙句の果てに吐いた。犬はよく吐くものだと言うが、心配だ。

心配してるんだよ。

こちらの心配をよそに、またケロッとして歩き始める。少し涼しくなったが暮れるのが早くなった。時折秋雨も降っている。あたりは薄暗くなってきた。

向こうに赤く光る首輪が見える。暗くなった時間の散歩では、光る首輪の色でどの子か分かる。ユクの大好きなモモちゃんだ。ユクはまだ分かっていない。

ユク坊はグリーンです。

しかし、「あれ、モモちゃんじゃない?」という言葉だけは、ユクに伝わる。オヤツも散歩もドライブも、一切言葉を覚えないのに、「モモちゃん」だけには、え?どこ?どこ?と反応するのだ。

ユクは駆け寄って行った。なんだ元気じゃないか。

駆け寄ったあと、いつもはモモちゃんに体当たりするくらいに近付いて行くのに、今日はしない。何だかユクのテンションが低い。やはり元気がないようにも見える。モモちゃんの飼い主さんも、いつもと違うことに気付いてくださった。

ユクとモモちゃん。

ユクはいつもにも増してマイペースな行動を取った。
モモちゃん一家へのご挨拶もほどほどに、自分だけ雨で濡れていない乾いた地面を探して、伏せして休み始めた。

普段、ユクはモモちゃんに駆け寄っても、大体迷惑そうにされて、どうしよっかなーみたいな感じになっている。しかし、この日はなんとモモちゃんがユクに歩み寄ってきてくれた。そして一喝、ワン!元気のないユクに発破をかけているように見えた。「あんた元気ないわよ!あたしを放っておいて、どういうつもり?」とでも言っているようだ。さらにはプレイバウまでしてくれる。それを受けたユクもさすがに立ち上がり、プレイバウをした。

プレイバウ!

ワン!ワン!その後もモモちゃんはユクを励ましてくれる。
とてもツンデレなモモちゃん。ユクはモモちゃんのことが大好きだよ。これからもユクをよろしくね。