ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

芝生が好きな犬。

ユクは芝生が大好きなようだ。
散歩中、芝生の庭を見つけると寄りたがる。他人様のお宅の庭でもそうやって寄ろうとするので、制するのに骨が折れる。芝生のある広場なんかに行くと、仰向けになって悶えている。悶えているのかどうか、本意は不明。芝生の匂いを背中に付けてやろう、としているように見えなくもない。とにかくちょっと興奮気味でおかしな行動を取ってしまっている風に見える。

くねくね。

ときに芝生を見つけて、そこに居座ろうともする。
ちょっとひと休みみたいな感じで芝生の上で伏せる。そういうときのユクは大体満足げな表情をしている。「ユク、そこはダメだよ、さっさと行くよ!」と言ってリードを引くと、ユクは「阿呆(あるいは馬鹿)」になる。走り回って駄々をこねる。それをなだめるのがまたひと苦労で、大きな声を出したところで止まないので、静観するしかない。

ここにいます!

大きな声を犬は飼主に応援されていると受け止めることがある、という説もある。確かにそのようなこともあるかもしれないが、ユクは叱られているときは叱られていると分かっていると思う。叱られたとしてもそれにも勝る本能よ、ということなのではなかろうか。

芝生が大好きな犬のため、庭に芝生でも敷いてやりたいが、うちは賃貸だ。勝手に芝生を敷くことはできない。すまないな、ユク坊。

うはは!

夏が終わりに近付くと大家さんが庭の木の剪定と雑草刈りをしてくださる。大家さんが、と書いたが、大家さん自らが行うわけではない。大家さんが手配をしてくださった庭師さんがやってきて、綺麗にしてくださるのだ。日本語は難しい。

おかげさまで、庭の木がお寿司屋さんの板前のような、見事な角刈りになった。私も散髪に行きたい。

庭師さんがチャイムを鳴らした。
「今度、家の裏と横に人工芝を敷きます。大家さんが雑草が大変なので、そのようにします、と仰ってました」
とのことだった。

やったぞー!

勝手に芝生を敷くわけにはいかない家に、人工芝ではあるが、芝生を敷いてくださるそうだ。やったな、ユク坊。

ユクは人工芝も大好きなのだ。まったく本物志向ではない。
良いお誕生日プレゼントになりそうだ。