ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

一時的にも縄張り意識?砂浜で縄張り守りごっこをする犬。

由比ヶ浜へ散歩に出かけた。
決して海には入らないが、砂浜を前にすると、信号待ちでもそわそわして、一刻も早く砂を踏みしめたい、という顔をするユク。信号を渡ると、グイグイとリードを引き、砂浜へ走る。

ゴールデンウイークの由比ヶ浜は、若い子たち(人間)でいっぱいだった。ユクは知らないパンデミック前の景色だ。私たちも今回は小さなテントを持ってきた。折り畳まれているものを緩めると、バッと瞬時に開いてテントになってしまう優れものだ。人間の便利への執念に感謝する日々である。

海でない側のカップルたちを眺めるユク坊。

テントを広げると、真っ先に中に入りくつろぐユク。なんだそれ。そのときは笑って写真など撮っていたが、後でよく考えてみれば「ここはわしの場所だ」と主張していたのかもしれない。顔も何だか偉そうだ。

へへへー

歩こう。
テントを仕舞って、銀色のシートのみを砂浜に敷いた状態で、荷物をその上に置いた。ユクを連れて浜を歩く。少しは水辺にも慣れてきたように見える。自ら積極的に海の方へと向かっていく。匂いを嗅ぐことに夢中で、波がすぐ側まで打ち寄せていることに気付いていない。水が見えて慌てている。水に足をつけることは、まだできない。

夢中。(波、来てますよ〜)

「ひえー、水に足浸かるとこだったわ」と、なったあと、なぜか銀色のシートのところまで駆けて戻る。歩いて少し経つと思い立ったように踵を返し、銀色のシートへまた戻る。置いてある荷物などを鼻先で探り、確認しているようにも見える。

シートに座っていると、近くを通る犬に対して警戒心を強めているようにも見える。もしかしてこれは、この銀色シートを自分の縄張りだとでも考えているのだろうか。このようにインスタントに自分の縄張りを決めて守る、などということを、犬はするのだろうか。

怖かったぜ。

 

縄張りを決めて、守っているつもりならば、以前に大好きなお隣さんにうっかり吠えてしまったときのことも合点がいく。

「縄張り守りごっこ」をしているのだとすれば、人間側としては、勘弁してください、他の犬や人間と仲良くしてください、と思うところだが、犬はごっこをしているのだから、尊重してやらねばならない気持ちもある。

番犬として、人間の役に立ってきたユクのご先祖犬たちの存在が感じられる。

この浜はぼくが守る。(そ、壮大ですね)