犬はどの犬も可愛い。仕草も表情も、その瞬間を見れば嫌なことは全部忘れるような。そのくらいのものをどの犬も持っている。うちの犬、ユクももちろん可愛い。だから夫婦そろって、少々甘やかしすぎではないかと思えるほど、甘い。遠い宮古島でさまよっていたところを保護され、飛行機に乗って千葉にゆき、自動車に乗ってわざわざ鎌倉までやってきたのだ。いろいろな人のおかげでユクが来ることになったということを考えると、ついつい甘やかしてしまう。(まったく理屈に合わないことは解っている)
過去に自分が思っていた以上に、犬は素直に喜びを表現するし、甘えもする。主に食事を得るためにだが、人間の様子をよく観察していて、どこでどのように振る舞えば人間が喜び、褒めてくれるか、ということをよく考えていて、賢く実行する。遊びに誘うのも上手だ。そして、つまらないときには全身でそのつまらなさを表現する。
日々、いろいろな表情を見せてくれるユク。可愛いな、という写真はiPhoneのカメラロールを埋め尽くしている。そのなかでも私がもっとも好きな一枚は次の写真だ。
お散歩中の一枚。可愛い顔を作ることなんて忘れて、「散歩楽しいなぁ!」とこちらに言っているようで、たいへん気に入っている。
うちへ来た日は玄関でうずくまり、怯えて一歩も外へ出られなかったユクだが、それも一日だけだった。散歩ではいつも楽しそうだ。ただし、落ち着いて人の後ろをてくてくと着いてゆくというスタイルではない。狭い道ではリードを短くして、横を歩かせるようにしているが、広い場所ではリードを少し緩めて、できる限り自由に楽しませてやりたいと思っている。いつもキョロキョロ辺りを見回しながらとても忙しそうだ。落ち着きがないともいうが。
私も落ち着きがないと言われて育ったので、同じだ!ユク坊。大丈夫だ。(まったく理屈に合わないことは解っている)