ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

はじめての朝とはじめての散歩

2階で寝ている私たちは、1階からの悲しく絞り出すような鳴き声で起こされた。ユクだ。時刻は午前4時台だった。


これが犬の夜泣きというものか?ご近所にご迷惑では?毎朝これで起こされるのか?一瞬にして様々な不安が頭に湧きめぐる。妻が1階に降り、様子を見てくれた。ここでも私は無力である。何をどうして良いやらわからない。妻によると、どうやらケージのお布団の上でおしっこをしてしまっていたようだった。それが気持ち悪いからなのか、人間に来てもらいたいからなのか、悲しい声を上げていたのだ。


突然知らない家に連れてこられて、置いていかれ、ケージに入れられて一晩過ごせば漏らしもするだろう。かわいそうに。


さらに悲劇は続いた。
妻が洗面所に行って用事をしているとき、リビングには私とユクだけがいた。するとユクがすっと中腰の構えを取ったのだ。私の妻を呼ぶ声も空しく、うんちがリビングに落とされた。ここでも私は無力である。トイレトレーニングとやらが成功するまで、ずっとこのように部屋のなかでうんちをするのだろうか。またもや不安が押し寄せた。


しかし、このようなことは初日だけだった。
昨日行けなかった散歩に、今日からは行けるようになったからだった。


散歩に連れて行こうとユクを玄関まで連れて行くと、やはり全身を震わせて怯えていた。それでもドアを開けて、少し外まで連れて行ってみると、ようやく少し歩こうかな、という気持ちになったようだった。そして、一旦歩き出せばキョロキョロと周りを観察しながら歩いてくれた。


犬の散歩をしたことがないわけではなかった。
高校時代、親友の飼っていたポチという犬と一緒によく散歩に出かけたものだった。それでも、犬のリードを持つのは何十年ぶりだろう。ユクはうちの子になったが保護犬で、昨日来たばかり、もしや逃げ出すのではないか、と心配しながら慎重にリードを持った。


そして最初のお散歩記念にパチリ。
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ユクも私も堅い。