ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

牛蹄(ぎゅうてい)が好き過ぎて、知恵を働かせた犬。

夜、私はシャワーを浴びていた。と、そこへ扉の外から妻の声がした。返事をしたのと同時に扉が開かれた。なかなかの緊急事態ではないか。私とは違い、虫が現れたくらいで妻がこのように騒ぐ筈はない。揺れは感じていないので、地震でもない。浴室は明るいの…

半分降りたような人間の戯言。

平均寿命を参考にすると、人生の半分はゆうに過ぎた。四十を越えた頃は、まだ半分、という余裕を感じていた。百二十歳くらいまで生きるつもりでいたから、まだまだ三分の一だ、くらいに考えていた。ところがどうだろう、五十を越えた辺りから、心持ちが変わ…

犬と雨宿り。

夕方。散歩の時間だ。あまり水分を摂らないユクのためにヤギミルクを用意してやる。ペットボトルに水を入れ、トリーツバッグにおやつを入れる。ドライTシャツを着て、ポケットの沢山付いたズボンに履き替える。ポケットには「ポイ太くん」が四枚忍ばせてある…

最初に読んで、いまでも愛読している犬のしつけ本。

犬と暮らすのは初めてなので、犬のしつけや散歩の仕方など、何も知らない状態だった。保護犬の預かりボランティアさんを通じて、ユクを迎え入れるにあたり、ケージやリードなどは教えていただいて事前に用意できたが、肝心の心構えやしつけの方法などを別に…

遠慮する犬。早起きな犬。

ユクの朝は早い。これはユクに限らず、犬の、と言うべきだろうか。見聞きした感じだと、太陽の早く昇る季節には、犬に早くから起こされる飼い主さんが多いように思われる。辺りが明るくなってくるとともに起き始めるのは自然だ。人間である私も本来はそうあ…